@ 商標権者は、その商標権に関して他人に通常使用権を設定することができる。
A 第1項の規定による通常使用権の設定を受けた通常使用権者は、その設定行為で定めた範囲内
で指定商品に関して登録商標を使用する権利を有する。
B 通常使用権は、相続その他一般承継の場合を除いては、商標権者
(専用使用権に関する通常使用権においては、商標権者及び専用使用権者
)の同意を得なければ、これを移転することができない。
C 通常使用権は、商標権者(専用使用権に関する通常使用権においては、商標権者及び専用使用権者
)の同意を得なければ、その通常使用権を目的とする質権を設定することができない。
D 第54条第5項・第55条第2項及び第4項の規定は、通常使用権に関してこれを準用する。
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第57条の2(特許権等の存続期間満了後に商標を使用する権利)
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商標登録出願日前又
は商標登録出願日と同一の日に出願され登録された特許権がその商標権と抵触される場合、その特許権の存続期間が満了されるときには、その
原特許権者は原特許権の範囲内でその登録商標の指定商品と同一のものであるとか、これと類似
の商品に対してその登録商標と同一であったりこれと類似の商標を使用する権利を有する。但し、不正競争の目的でその商標を使用する
場合にはこの限りでない。
A 商標登録出願日前又
は商標登録出願日と同一の日に出願され登録された特許権がその商標権と抵触される場合、その特許権の存続期間が満了されるときには、その満了される当時に存在する特許権に対する
専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権に対する特許法第118条第1項の効力を有する通常実施権
を有する者は、原権利の範囲内でその登録商標の指定商品と同一のものであるあとか、これと類似
の商品に対してその登録商標と同一であったりこれと類似の商標を使用する権利を有する。但し、不正競争の目的でその商標を使用する
場合にはこの限りでない。
B 第2項の規定によって商標を使用する権利を有した者は、商標権者又
は専用使用権者に相当な対価を支給しなければならない。
C 当該商標権者又は専用使用権者は、第1項又
は第2項の規定によって商標を使用する権利を有した者にその者の業務に関する商品と、自己の業務に関する商品間の混同を防止するのに必要な表示をするよう請求することができる。
D 第1項及び第2項の規定による商標を使用する権利を移転(相続その他一般承継
による場合を除く。)しようとするときには、商標権者又は専用実施権者の同意を得なければならない。
E 第1項乃至第4項の規定は、商標登録出願日前又
は商標登録出願日と同一の日に出願され登録された実用新案権又は意匠権がその商標権と抵触される場合、その
実用新案権又は意匠権の存続期間が満了されるときに準用される。
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第58条(通常使用権等の登録の効力)
@ 次の各号に該当する事項は、これを登録しなければ第三者に対抗することができない。
1.通常使用権の設定・移転(相続その他一般承継による場合を除く。)・変更・放棄による消滅又
は処分の制限
2.通常使用権を目的とする質権の設定・移転(相続その他一般承継
による場合を除く。)・変更・放棄による消滅又は処分の制限
A 通常使用権を登録したときには、その登録後
に商標権又は専用使用権を取得した者に対してもその効力が発生する。
B
第1項各号の規定による通常使用権及び質権の相続その他一般承継の場合には、遅滞なくその旨を特許庁長に届け出なければならない。
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第59条(商標権の放棄)
商標権者は、商標権に関して指定商品ごとにこれを放棄することができる。
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第60条(商標権等の放棄の制限)
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商標権者は、専用使用権者、通常使用権者又は質権者の同意を得なければ、商標権を放棄することができない。
A
専用使用権者は、第55条第6項の規定による質権者又は通常使用権者の同意を得なければ、専用使用権を放棄することができない。
B
通常使用権者は、第57条第4項の規定による質権者の同意を得なければ、通常使用権を放棄することができない。